第201章 IFストーリー

父と中島が向かい合って話している様子を見ているかぎりでは、中島たちは、今回の騒動の本当の原因なんてまるで知らないようだった。もし事情を知っているのだとしたら――中島も義父も義母も、とっくに大騒ぎになっているはずだ。今みたいに、こんな穏やかな空気になっているわけがない。

中島と父は、とぎれとぎれに言葉を交わしていた。病室の空気には、しんとした悲しさが、じわじわと染み込んでいくようだった。

「もう帰りなさい。こっちは私が健のそばにいますから……。家のことを、頼みますよ……」

一時間以上も話し込んだあとで、父がそう告げた。

「……うん、分かりました。あなたも、ちゃんと休んでくださいね。明日...

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