第211章 IFストーリー

 海子はうすうす察しているのだろう。けれど、ここは団地で、このすぐ外は大通りだ。今ここで泣き叫ばれでもしたら、間違いなく通行人の視線を集めてしまう。

 私が前を歩き、その後ろを海子が浩太の手を引いてついてくる。すでにかなり取り乱しているのが、背中越しにも伝わってきた。さっき横断歩道を渡るときも、車に轢かれかけたくらいだ。完全に上の空――。仕方なく、私は歩みを緩めて立ち止まり、彼女と子どもに歩調を合わせて肩を並べる。

 海子の中では、もう私の決心は確定したものとして受け止められているに違いない。ふたりの将来について、私がどんな結論を出したのか。

 それでも、まだ心のどこかに、ほんのわずか...

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