第22章

海子がバスルームに入ると、彼女は手早くドアを閉めた。バスルームのドアが閉まるのと同時に、私はビデオも閉じた。もはやバスルームや父の寝室から録画されたビデオを見る気持ちはなかった。信じられないことだった。今起きたことはまったく予想外のことだった。常識的に考えれば、父は海子の寝室に入るリスクを冒すはずがない。ただし……

ここで、私の頭に一筋の閃きが走った。その閃きを瞬時に捉えた。立場を入れ替えて考えてみると、父が海子の寝室に進んで入ったということは、彼女が寝室での親密な接触に同意するという確信があったということだ。父がその自信を持っていなければ、彼の几帳面な性格からしてそんな唐突なことをするは...

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