第22章
海子がバスルームに入ると、彼女は手早くドアを閉めた。バスルームのドアが閉まるのと同時に、私はビデオも閉じた。もはやバスルームや父の寝室から録画されたビデオを見る気持ちはなかった。信じられないことだった。今起きたことはまったく予想外のことだった。常識的に考えれば、父は海子の寝室に入るリスクを冒すはずがない。ただし……
ここで、私の頭に一筋の閃きが走った。その閃きを瞬時に捉えた。立場を入れ替えて考えてみると、父が海子の寝室に進んで入ったということは、彼女が寝室での親密な接触に同意するという確信があったということだ。父がその自信を持っていなければ、彼の几帳面な性格からしてそんな唐突なことをするは...
ログインして続きを読む

チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章 

4. 第4章 

5. 第5章

6. 第6章

7. 第7章 

8. 第8章

9. 第9章

10. 第10章 

11. 第11章

12. 第12章 

13. 第13章

14. 第14章 

15. 第15章 

16. 第16章 

17. 第17章 

18. 第18章 

19. 第19章 

20. 第20章 

21. 第21章 

22. 第22章 

23. 第23章 

24. 第24章 

25. 第25章 

26. 第26章

27. 第27章 

28. 第28章 

29. 第29章 

30. 第30章 

31. 第31章 

32. 第32章 

33. 第33章

34. 第34章 


縮小

拡大