第220章 IFストーリー

 海子を連れて家に戻ると、まず鍵を開けてドアを押し開けた。義父と義母が両側から海子と浩太を支えるようにして、そろそろと中へ入ってくる。海子の件があってから、誰もここには戻ってきていなかった。

 部屋の様子は、私があの夜出ていったときとほとんど変わっていない。ただ、フローリングのあちこちに土足の跡がいくつも残っていた。あのとき救急隊や近所の人たちが、海子を助けようと慌ただしく踏み込んできた痕だ。海子がその夜飲み残した薬のシートや、薬を溶かしていた茶碗は、全部証拠品として持ち出されている。部屋全体が、どこか荒らされたあとのように、ちぐはぐで落ち着かない印象になっていた。

 義父は浩太をあやし...

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