第251章 IFストーリー

「……っ」

 しばらく様子を眺めていた父は、喉の奥で小さく唾を飲み込んだ。

 今の父にとって、テレビなんて完全にただのカモフラージュだ。視線の端に全神経を集中させて、時おり覗く海子の肌ばかりを追っている。

 ここまで来ると、海子のわざとらしさはもう確信に変わっていた。腰をかがめる必要なんてまったくない場面でも、いちいち身を折る。そのたび、胸元や太ももが大げさなくらいあらわになる。

 もちろん、こういうのは傍観している私だから気づくことであって、画面の中で理性を吹き飛ばされかけている父の頭で、そこまで冷静に分析できているはずもない。

 分刻みで時間が過ぎていく。片づけを終えても、父は...

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