第271章 IFストーリー

 父が出ていったことに気づいてから、海子は上半身を起こしたまま、ぼんやりと宙を見つめていた。頬にはまだ涙の跡が残っている。まさか父があんなふうに突然立ち去るとは思ってもみなかったのだろう。怒ってしまったのかもしれないし、傷ついたのかもしれない。あるいは、そのどちらも、か。

 海子の瞳に、ふっと後悔の色が差した。それが、父と関係を持たなかったことへの後悔なのか、先ほどの自分の態度を悔いているのかは、私には分からない。

 やがて、あらゆる感情が混ざり合って、最後には諦めにも似た失望へと落ち着いていく。今さら悔やんでももう遅い。父はもう、ここにはいない。

 海子はふたたびベッドに突っ伏すと、...

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