第317章 IFストーリー

「給湯器、どうして調子が悪いの?」

父はトイレの奥まで入っていき、給湯器の前に立つと、じっと本体を見つめた。

「お湯が出ないの。どうしてか、私も分からなくて……」

海子がドアのところに立ったまま答える。

「そうか……んおっ……」

海子の言葉を聞いた父は、何の警戒もなく給湯器のレバーをひねった。すると、シャワーヘッドからは当たり前のように勢いよくお湯が噴き出す。しかも父は、ちょうどシャワーの真下に立っていたせいで、そのお湯が頭のてっぺんからつま先まで、どしゃっと容赦なく降り注いだ。

不意打ちを食らった父は思わず声を上げ、慌ててシャワーを止める。

無理もなかった。さっきまで海子が「...

ログインして続きを読む