第339章 IFストーリー

 そのときの海子は、どこか疲れた様子ではあったものの、服装はきちんとしていて乱れ一つなかった。部屋に入ってきたとき、手にはスーパーのレジ袋を提げている。中に何が入っているのかは、ぱっと見ただけでは分からない。

 もし、今朝の海子と浩太の会話を知らなかったら、私はてっきり海子が一日中義父母の家にいたのだと、そう思い込んでいただろう。だが、朝のやり取りを思い返せば、海子は浩太を実家に届けるや否や、足早にそこを後にしている。今日は用事がある――確かにそう言っていた。では、海子はこの一日、どこで、何をしていたのか。

 部屋に戻った海子は、まずソファに腰を下ろしてしばらく休み、それから着替えを済ま...

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