第343章 IFストーリー

 焼酎のきつさを、完全に見くびっていた。ほかの酒なら、これだけ飲めばさすがに酔うものの、歩けなくなることはない。ところが今は、全身が金縛りにあったみたいにまったく動かない。もし今、自分の意志がここまで強くなかったら、とっくに眠り込んでいただろう。

 それでも「寝るな」と頭の奥で叫び続けているものがある。海子。胸の底に溜まりに溜まった怨念が、ぎりぎりのところで私を支えていた。

 焼酎ってこんなに強いんだったら、見栄張って飲みまくったりなんかしなかったのに……

 目を閉じたまま、必死に自分を制御する。酔っているとはいえ、不思議なほど気分の悪さはない。これが「いい酒」の証拠なんだろう。呼吸は...

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