第345章 IFストーリー

 足音は、二人ぶん。なのに、ひどく乱れていて、それでいてやけにゆっくりだった。

 もう終わって、一緒に風呂にでも入ろうとしているのか。それとも、まだセックスは終わっておらず、その続きをしにリビングやバスルームへ向かっているのか。

 そんなことを頭の中でぐるぐる考え始めたところで、その雑然として重い足音は、あっさりと私たち夫婦の寝室の前まで辿り着いてしまった。ドアは閉めていないから、近づいてくる気配が手に取るようにわかる。

 ……二人で、私たちの寝室に来る?

 用件はなんだ。もう終わって、私が本当に寝ているかどうか、確かめに来た――そういうことか。

「本当に大丈夫ですか」

 低く、...

ログインして続きを読む