第357章 IFストーリー

ビデオに映った光景から、目を離すことができなかった。考える余裕なんてほとんどない。ただ、耳で聞いていただけのあの夜と、こうして目で見るそれとは、まるで別物だと痛感させられる。少なくとも、あの時には気づけなかった細部が、いくつもいくつも、容赦なく目に飛び込んでくる。

画面の中で、海子はネグリジェを脱ぎ捨て、最後の一枚の布さえ失い、全身をあらわにしていた。

父はすべてを理解していながら、それでも海子の背中に隠れるように身を潜め、ベッドの上で眠っている私を覗き見る勇気も出ないようだった。

そんな父を、海子は振り返って一瞥する。その目に浮かんだのは、かすかな軽蔑。臆病な父を嘲るような色が、ちら...

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