第4章

翌日目覚めると、パソコンの前で仕事に集中することができなかった。心の中では今の家での毎日の同じことの繰り返し、同じ言葉の繰り返しだった。特別なことは何も起こらなかった。

あっという間に一ヶ月が過ぎ、妻の佐藤海子が勤める会社がファッションウィークを成功させ、祝賀会が開かれることになった。家族として私も招待された。妻はスタイルも良く、容姿も整い、品性も備えた美女で、どこに行っても男性陣の視線を集める存在だった。

ただ一つ言えることは、妻は私以外の男性に対しては淡々と接し、愛想良くもなく、同僚や友人との間で交わす通常の会話と振る舞いしかしないということだ。このことについては彼女の親しい友人...

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