第5章

時間が遂に私が調整できた昨夜、家を出たあの瞬間に。ビデオがゆっくりと再生され始め、緊張で私の手のひらは徐々に汗ばんでいた。しかし、ビデオが一時間近く再生されても、部屋全体は静かなままで、特別なことは何も起こらなかった。

もう何も起こらないだろうと思った矢先、妻が突然手で床を支え、震えながら起き上がろうとし、ずっと吐き気を催していた。口からは「健、健...」と呼ぶ声が漏れていた。これを見て、私の心は少し感動した。妻は酔いつぶれていたが、彼女が意識があろうとなかろうと、最初に思い浮かべる人物は夫である私だった。

父は妻が私の名前を呼びながら吐き気を催す声を聞き、すぐにパジャマ姿で寝室から出て...

ログインして続きを読む