第65章

ビデオの外にいる私も、ビデオの中の父も、緊張して立ち尽くしていた。まるで申し合わせたように身動き一つできずにいる。静かに待っているのだ——今の海子の言葉の真意を、私たち二人とも測りかねているからだ。画面は再び静止したかのようで、ビデオの中から聞こえるのは父と海子の微かな息遣いだけだった。

海子の腕が父の首に絡みつき、その瞳は冷たく真っ直ぐに父の頬を見つめている。父は過ちを犯した子供のように頭を垂れ、海子と視線を合わせようとしない。

「今の私の気持ち、分かる?」海子が父に静かに語りかけた。父は答えない。きっと今、どう答えればいいのか分からないのだろう。

「あなたは私の義父よ。でも私の体を...

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