第93章

夜の9時になって、時間を計算してみると、病院の人たちはほとんど帰っていることだろう。何も見逃さないように、私はすぐにでも病院に向かうことを決めた。万が一に備えて、わざわざ口実を作って同僚から服を借りた。同僚の服に着替えてから、病院へと向かった。

道中、その時どうすればいいかを慎重に考えていた。父のいる重症監護室はとても高級な病室で、防音効果は言うまでもなく、ドアも内側から施錠でき、ドアと窓には全てカーテンが付いている。もし海子がドアを施錠し、カーテンとドアカーテンを閉めてしまったら、私は何も見ることができなくなってしまう。なぜ事前に盗聴器を用意しておかなかったのだろう?見えなくても、聞くだ...

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