第101章

カフェは金融街のオフィスビル一階にあった。天井まで届く窓の向こうには銀杏の木が並び、黄金色の葉が歩道を敷き詰めている。

知意がドアを押し開けて中に入ると、清隆はすでに席に着いていた。

窓際の席。テーブルには書類が広げられ、手にはコーヒーカップ。足音に気づいて顔を上げた彼は、立ち上がって軽く頷いた。

「どうぞ」

店員を呼び寄せ、彼女に問いかけた。

「何か飲む?」

知意は向かいに腰を下ろし、メニューには目もくれなかった。

「結構です。用件を手短に」

清隆は無理強いせず、店員に「ホットミルクを」とだけ告げ、再び彼女へ視線を戻した。

その眼差しはとても穏やかだ。蓮のような威圧的な観...

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