第112章

光はそこでようやく笑顔を見せ、彼女の手を引いて外へ向かいながら言った。

「お姉ちゃん、こっち来て。指紋を登録してあげる! もし鍵を忘れた日があっても、ドアをポンって押せば開くからね」

知意は彼に手を引かれ、蓮のそばを通り過ぎる際、無意識に視線を向けた。

彼はソファに腰を下ろし、手にはまだあの茶を少し持っていた。顔つきは平然としており、これといった感情は読み取れない。止めることもなく、ただ静かに見つめているだけだった。

玄関には小さな指紋認証のパネルがあった。光は背伸びをしたが届かず、振り返って声を上げた。

「パパ、お姉ちゃんの登録手伝って!」

蓮は茶器を置き、歩み寄ってきた。身を...

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