第120章

車はゆっくりと遊園地の駐車場を抜け出した。後部座席で、清香は蓮に寄り添い、その肩にそっと頭を預けている。

口元に満足げな笑みを浮かべ、目を閉じて、この得難い二人きりの時間を噛み締めていた。

その時、着信音が鳴った。

蓮がポケットからスマートフォンを取り出し、画面に目を落とすと、それまでの冷ややかな目元が一瞬で和らいだ。

電話に出るその声は、無意識のうちに優しく甘くなっていた。

「光か?」

『パパ!』

電話の向こうから、光の弾むような明るい声が響く。

『いつ帰ってくるの? 会いたいよ! パパと一緒にいたい!』

蓮の口角がわずかに上がる。清香がめったに見たことのない、深い慈愛に...

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