第121章

ここ数日、知意は仕事に没頭した。

昼間は会議、企画書の修正、クライアントとの打ち合わせに追われ、夜は深夜まで残業。眠くなればオフィスのソファで仮眠をとる。

少しでも暇を作りたくなかった。時間が空けば、どうしようもないことばかり考えてしまうから。

蓮のこと、離婚のこと、あの子のこと。そして、自分ではどうにもならない数々のこと。

多忙は薬だ。苦いが、よく効く。

時間は瞬く間に過ぎ、あっという間に週末を迎えた。

知意は朝早く起き、クローゼットの前で長く迷った末、淡いブルーのニットに白いパンツを選んだ。シンプルで清潔感のある装い。

車が屋敷の門前に停まる。降りるより早く、小さな影が門の...

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