第127章

病院。知意が駆けつけると、遠は救急外来の前のベンチに座っていた。左手には包帯が巻かれ、顔にはいくつか擦り傷がある。

初音はその隣に座り、目を赤くして、小声で何かを話しかけていた。

「姉ちゃん?」

顔を上げた遠は、彼女の姿を認めて一瞬呆けた。

「どうしてここに? 俺は平気だよ、ちょっと擦りむいただけだし……」

知意は歩み寄り、しゃがみ込んで傷口を注意深く見つめた。

包帯はそれほど厚くなく、血の滲みもない。顔の擦り傷もすでに手当てされていた。

彼女は手を伸ばし、傷のない半分の頬にそっと触れる。声が少し強張った。

「どうしてこんなことに?」

「運転中にぼんやりしてて、追突しちゃっ...

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