第139章

清香の付き人が大量の荷物を持ち上げ、まさに店を出ようとしたその時だった。梨々香がカウンターの下から、精巧な作りのギフトボックスを取り出した。深いブルーのベルベット生地の箱に、銀色のリボンが掛けられている。

彼女はそれを知意の目の前へ差し出し、目をきらきらと輝かせた。

「知意、これ、ずっと前から用意してたの。気に入るか見てみて」

知意は箱を受け取り、リボンを解いて蓋を開けた。

中に入っていたのは一着のドレスだった。スモークパープルの軽やかなチュールが幾重にも重なり、まるで夕暮れ時の雲霞のようだ。

裾には緻密な銀糸の刺繍が施され、生地は信じられないほど柔らかい。指先で触れると、まるで流...

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