第143章

その頃、清隆はリゾート施設のゲートを抜け、車のドアを開けて後部座席に乗り込んでいた。

シートに深く背を預け、目を閉じて眉間を揉む。先ほどまで浮かべていた温和な表情はとうに消え失せ、代わりに言い知れぬ疲労感が顔を覆っていた。

着信音が鳴る。画面には『清香』の文字が点滅していた。

通話に出ると、電話の向こうから焦りと怒りの混じった、問い詰めるような声が飛んできた。

「お兄ちゃん、さっき誰と一緒にいたの? 蓮と一緒だった? 今日何度電話しても出ないのよ。週末なのに家にもいないし、連絡もつかない。彼、どこに行っちゃったの?」

清隆は目を開け、陽射しで白く飛んだ窓の外の駐車場を見つめた。二秒...

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