第15章

知意は適当な口実を作って断り、手当てを終えると、薬の入ったビニール袋を提げて足を引きずりながら階段を下りた。

だが、病院のエントランスにある駐車スペースへ出た途端、騒がしい笑い声が耳に飛び込んできた。

「清香、こっち! 神谷社長の車、ここ!」

「わぁ! 神谷社長が直々に退院のお迎えなんて! しかもあんな大きな花束まで! ロマンチックすぎる!」

知意の足が瞬時に凍りつき、その場に縫い止められた。

少し離れた場所。見慣れたロールスロイスの傍らに、蓮が長身を晒して立っていた。

彼はダークカラーのコートに着替え、両手には零れ落ちんばかりに咲き誇るシャンパンローズの大きな花束を抱えている。...

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