第156章

「嫌だ」

光は考える間もなく、知意の手をきつく握りしめた。

「どこにも行かない。僕は葵お姉ちゃんと一緒にいる」

ちょうどその時、人混みから晩と梨々香が抜け出し、知意の左右に並んで立った。

晩は清香を一瞥し、口元に冷笑を浮かべた。一方の梨々香はそのまま光の手を引き、にっこりと笑いかけた。

「光、おばちゃんと一緒にアイス食べに行こっか。どう?」

光は知意の顔を見上げ、彼女が頷くのを確認してから、大人しく梨々香について行った。

晩は知意の腕に自分の腕を絡ませた。三人で子どもを連れ、人混みを抜けてショッピングモールの反対側へと歩き出す。

少し離れた場所に立つ冴子は、知意の後ろ姿を睨み...

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