第19章

冷たい夜風に吹かれ、知意は思わず身震いした。

胸の奥が冷たく痛み、それでいて麻痺しているようだった。

脚の傷から鋭い痛みが走るまで、彼女はずっと立ち尽くしていた。

襟元をきゅっと合わせ、目尻に滲んだ最後の涙をぐっと押し殺す。

自分を一度も気にかけてくれなかった男のために泣くなんて、馬鹿げている。

幸いここはタクシーが拾いやすい。車を呼んでマンションに戻り、シャワーを浴びて薬を替え、ベッドに横たわった。

翌日、動きやすいダークカラーの服に着替え、知意は再び神谷グループのビルに足を踏み入れた。

退職手続きがまだ少し残っている。それを終わらせるためだ。

社内の空気はいつもと違い、重...

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