第24章

夏目航。

蓮の従弟であり、知意が中学生の時に二つ年上だった先輩でもある。

底抜けに明るく、いつまでも少年の心を忘れないような性格は、冷たく硬質な神谷家の面々とはまるで正反対だった。

かつて神谷の屋敷で時折顔を合わせると、彼はいつも人懐っこい笑顔で声をかけてきた。学校での他愛ない出来事を面白おかしく話して聞かせてくれる航は、淀んだ泥水のような神谷家において、知意が息を抜ける数少ない存在だった。

だが知意が結婚し、彼が留学してからは、自然と連絡も途絶えがちになっていた。

その彼が、どうして急に電話などかけてきたのだろうか。

「もしもし? 航さん?」

知意は通話ボタンを押した。

「...

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