第26章

鷲尾は地獄に仏とばかりに、すぐさま他の店員たちに目配せをした。

数人の店員が歩み寄り、今度は容赦しなかった。半ば強引に背中を押し、知意と晩を店から追い出した。

突き飛ばされるように店を出た知意は、数歩よろめいてようやく立ち直った。

晩は知意の手をきつく握りしめ、怯えた声で急かした。

「行こう、知意、早く……」

知意は引かれるがまま、麻痺したように背を向けた。

青山の誕生祝いは、彼が暮らす古い屋敷で開かれた。

その屋敷は、喧騒から離れた閑静な旧別荘地の中にあり、青煉瓦と灰色の瓦屋根が趣を放っている。

知意はネイビーのワンピースにベージュのカーディガンを羽織り、大きくなった腹をど...

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