第31章

しばらくして、蓮の声が再び響いた。先ほどより少し早口になっている。

「そちらのスケジュールが立て込んでいるのは承知しています。ですが、このプロジェクトはスケジュールがかなりタイトでして。前回のフィードバックを基にプランも調整しました。必ずや実質的な前進に繋がると確信しております」

電話の向こうで何か言われたらしく、今度はさらに長い沈黙が落ちた。

やがて、明らかに低くなった声が応じる。

「……分かりました。では、ひとまずこれで。そちらの都合がつき次第、いつでもお時間を合わせますので」

通話が切れた。

書斎は静まり返っている。

ドアの外に立つ知意は、無意識に息を潜めた。

彼女にも...

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