第51章

付き添ってきたのは、神谷家に入ってまだ数日の若いメイドだけだった。すっかり取り乱しており、同意書にサインなどできるはずもなく、「旦那様と連絡が取れません」と震える声で繰り返すばかりだ。

幸いなことに、そこへ晩が駆けつけた。

今日は彼女の休日だったが、いつものように知意の様子を見に神谷邸へ向かったところ、慌てふためく使用人から病院へ運ばれたと聞き、飛んできたのだ。

救急処置室の赤いランプを目にした瞬間、晩は血の気が引くのを感じた。

「私、彼女の友人です! 夫とは今連絡が取れなくて、ご両親はこっちに向かってます! 先生、どうか彼女を助けてください! とにかく命を!」

晩は焦りで声を震わ...

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