第62章

知意は鏡越しに彼女を一瞥し、ふっと笑った。

「どうしたの?」

「どうしたの、じゃないわよ」

晩は歩み寄り、知意の周りをぐるりと一周した。

「自分の姿を見てみなさいよ。どこが子どもを産んだ体なの? これじゃ他の女が惨めすぎるじゃない」

知意は首を横に振り、薄手のシフォンショールを肩に羽織った。

「行きましょう。あまり待たせちゃ悪いわ」

二人は更衣室を出て、砂浜へ向かった。

陽光が降り注ぐ中、前を歩く知意のショールが風に舞い、すらりとした長い脚が露わになる。

遠くの砂浜には蓮が立っており、その傍らで清香が何かを話しかけていた。

何気なく更衣室の方へ視線を巡らせた彼の目が——

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