第65章

蓮は足早に歩み寄り、しゃがみ込んで、よちよちと飛びついてきた小さな体をしっかりと抱き止めた。

光は蓮の首に抱きつき、ふっくらとした頬をすり寄せた。

「パパ、どうしてこんなに遅かったの?」

「ちょっと用事があってね」

蓮は息子の髪を優しく撫でた。

「栗を買ってきたぞ。まだ温かい」

「くり!」

光はさらに目を輝かせ、くるりと振り返ってローテーブルの方を見た。

冴子が微笑みながら立ち上がった。

「私が剥いてあげるから、二人は遊んでいなさい」

若菜も立ち上がり、手についた見えない埃を払うようにパンパンと叩いた。

「お母さん、私も手伝う」

二人がキッチンへ向かい、リビングには正...

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