第93章

光は蓮の後に続いて車に乗り込んだ。

車内は静まり返っていた。光は後部座席のチャイルドシートに座り、短い脚をぶらぶらさせながらも、その目は助手席に置かれた保温バッグに釘付けになっていた。

蓮は運転席から身を乗り出し、保温バッグを開けてキャラクターものの弁当箱を取り出すと、息子の手に渡した。

光はそれを受け取ったが、すぐには開けなかった。

彼は再び保温バッグに目をやった。中にはまだ二つ、綺麗に包まれた弁当が入っている。

首を傾げて少し考えた後、ふと口を開いた。

「パパ、その二つはお姉ちゃんにあげるの?」

蓮の手がピタリと止まった。保温バッグを脇へ置き、淡々とした声で答える。

「違...

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