第95章

蓮はふと足を止めた。

ガラス扉を押し開け、通りの向こうにある朝食屋へと歩いていく少年の後ろ姿を見つめる。

陽光に照らされたその輪郭は、はっきりと見覚えのあるものだった。

蓮の眼差しが、ひときわ暗く沈み込む。

数歩先を歩いていた光が、父親がついてきていないことに気づき、振り返って声を上げた。

「パパ?」

蓮は視線を戻し、息子を見下ろした。その表情はさらに底知れぬものになっていた。

何も言わず、ただ再び息子の小さな手を握り、エレベーターへと歩みを進める。

病室のドアがそっと押し開けられ、小さな影が顔を覗かせた。

ベッドに座る知意の姿を認めた瞬間、光の目がぱっと輝く。短い脚をぱた...

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