第99章

殊は知意を見つめ、頷いた。

「清隆のほうも企画書を出してきた。条件はうちよりかなりいい」

彼は言葉を切り、続けた。

「向こうは本気だ」

知意は驚かなかった。

清香が彼女のところで痛い目を見たのだ。兄である彼が黙っているはずがない。

ビジネスの場なら、彼女を追い詰める手立てはいくらでもある。

彼女は椅子の背もたれに寄りかかり、指先で軽く肘掛けを叩きながら、数秒沈黙した。

「先輩、このプロジェクト、私が取り戻します」

彼女の瞳に衝動的な色はなく、ただ重く確かな決意だけがあった。

しばらくして、殊は頷いた。

「夜にビジネスレセプションがある。プロジェクトの責任者も来る予定だ。...

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