第112章

だが脳裏には、書斎で見せた浅沢瑶のあの何の波紋もない瞳が、コントロールを失ったように何度も浮かんでは消えた。

今の自分には、彼女を問い詰める立場など微塵もないことを、彼はよくわかっていた。

ここで感情に任せて衝突すれば、彼女をさらに遠ざけ、あの男の腕の中へ追いやるだけだ。

宴会の残りの時間、盛岡晃は針のむしろに座っているような気分だった。

胸に渦巻く嫉妬と苛立ちを無理やり押し殺し、ただひたすら無言で酒をあおる。結局、宴会が終わるまで、彼から浅沢瑶に電話をかけることは一度もなかった。

夕暮れ時。沈みゆく太陽の残照が、街全体を鮮やかなオレンジ色に染め上げていた。

一日の仕事を終えた浅...

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