第13章

盛岡駿は彼女の青白くも芯の強い横顔を見つめ、それ以上は何も言わずに背を向けた。盛岡晃と話をつけるつもりだが、決して仲直りを勧めるためではない。

彼女がすでに新しい人生へ歩み出すと決めたのなら、自分にできるのは、その道にある不要な障害を取り除いてやることだけだ。

夜気は水のように冷たい。浅沢瑶が客間へ戻り、ドアを押し開けた瞬間、部屋中に立ち込める重苦しい空気を感じ取った。

盛岡晃は明かりもつけず、窓から差し込む月光だけを頼りに、その長身をソファに沈めていた。輪郭は張り詰め、まるで飛びかかる寸前の猛獣のようだ。

指先にはタバコが挟まれ、薄暗がりの中で赤い火種が明滅している。

物音に気づ...

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