第30章

盛岡晃はハッとして、隣の席にいるのが宇佐美萌だとようやく気づいた。

無意識に藤井翔が示す方向へ目をやると、案の定、浅沢瑶が遠くの後方席に座っていた。

その細く真っ直ぐな背筋は、喧騒に包まれた会場にあっても、どこか世間から切り離されたような清冽な雰囲気を漂わせている。

彼女を見ていると、またしても胸の奥に苛立ちが湧き上がってきた。

宇佐美萌がここに座っていることは、誰の目から見ても浅沢瑶の顔に泥を塗る行為に他ならない。

彼は顔を曇らせ、何も言わずに視線を戻した。

浅沢瑶は顔を上げなかった。盛岡晃が自分を見たことには気づいていた。

だが、どうでもよかった。彼の反応など、もはや必要な...

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