第31章

盛岡晃は早くから会場に到着していた。宇佐美萌は体調不良を理由に部屋に残っている。盛岡晃はグラスを片手に、話しかけてくる客を上の空であしらいながら、レーダーのように何度も入口へ視線を走らせていた。

時間が刻一刻と過ぎていく。宴会場には多くの客が集い、グラスを合わせる音が響き渡っていたが、彼が待っている女は一向に姿を見せなかった。

浅沢瑶は来ていない。

盛岡晃が再び人波を探ると、長谷川薫もいないことにすぐ気がついた。

その事実を認識した瞬間、午後からずっと胸の奥でくすぶっていた得体の知れない苛立ちが、一気に燃え上がった。

あの二人はどこへ行った? まだコーヒーを飲んでいるのか? それと...

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