第36章

盛岡晃は完全に呆然としていた。

こんな浅沢瑶は見たことがなかった。

これまでの彼女はただ沈黙するだけで、淀んだ水のように少しの波紋すら立てることはなかった。

だが今は違う。論理は明晰で、言葉には棘があり、その瞳には不屈の炎が燃え上がり、驚くほど輝いている。

この唐突なほどの生気は、彼の怒りを煽るどころか、胸の奥で制御を失っていた苛立ちをなぜか少しだけ鎮めてくれた。

彼は気づいた。棘を剥き出しにした彼女の姿を、自分はそれほど嫌いではないのだと。

浅沢瑶は彼が珍しく黙り込んだのを見て、自分の言葉がようやく効き、反論できなくなったのだと思った。

これ以上言葉を費やす気にもなれず、ただ...

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