第45章

盛岡陸のその言葉は、まるで鈍い刃のように、浅沢瑶の心の底に残っていたわずかで滑稽な幻想を、綺麗さっぱり削り取ってしまった。

彼のあの気まぐれに見える振る舞いも、唐突な歩み寄りも、決して心が戻ったからではなく、独占欲からくるものでさえなかったのだ。

ただ、時間稼ぎをしているだけ。

次から次へと見え透いた言い訳を並べ、祖父への約束を盾にして、とうに腐りきったこの結婚に彼女を縛りつけ、身動きを取れなくしているにすぎない。

胃に収まった温かい鶏スープが、途端に脂っこく感じられ、あの馴染みのある吐き気が再びこみ上げてきた。

浅沢瑶はスープの器を置き、もう一口も喉を通らなかった。

彼女の顔色...

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