第61章

盛岡晃は唇を引き結び、浅沢瑶へ「大人しくしていろ」と目で告げると、盛岡重臣の後に続いて二階へ上がっていった。

リビングに張り詰めていた空気が、ようやくふっと緩む。

祖母の盛岡キヨは浅沢瑶の手を引いて長椅子に座らせると、振り返って使用人に言いつけた。

「坂本、私が朝早くから煮込んでおいたツバメの巣と雪蛤のスープを持ってきておくれ。瑶の体に精をつけさせないとね」

盛岡源造も傍らに腰を下ろした。杖こそ手放したものの、その眼光は相変わらず鋭い。

彼は浅沢瑶を見つめ、年長者特有の身内をかばうような口調で言った。

「瑶、おまえが優しくて、人と争うのが好きじゃないのはわかっているよ。だがね、お...

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