第65章

盛岡晃の動きがピタリと止まった。彼女の瞳の奥に宿る、骨の髄まで染み込んだような嫌悪の色を目の当たりにして、せっかく湧き上がっていた情欲が、不気味なほど急速に冷え込んでいく。あとに残ったのは、頭から冷水を浴びせられたようなひどい気まずさだけだった。

うつむいて自身のシャツの匂いを嗅いでみる。たしかに、かすかな香水の匂いが染みついていた。レストランで、宇佐美萌がわざと彼に抱きつくように転びかかってきたときについたものだ。

ただ機嫌を損ねているだけだろうと思い込み、それ以上は無理強いせず、身を翻してバスルームへと向かった。

やがて、バスルームからシャワーの音が響き始めた。

浅沢瑶はその隙に...

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