第76章

盛岡晃もめったに帰宅せず、二人の間には、たまに食卓を囲むこと以外、何の接点もなかった。同じ屋根の下で暮らしてはいるものの、まるで赤の他人のように、それぞれ自分の世界に高い壁を築いていた。

盛岡グループ最上階の会議室。

盛岡晃はプロジェクト部門の報告を聞き終えると、険しい顔つきのまま、リーディングテックとの提携に関する最終細則を決定した。

今回のプロジェクトは彼自身が陣頭指揮を執り、一方の浅沢瑶はリーディングテック側の総責任者である。二人が業務上で顔を合わせるのは避けられないことだった。

会議が終わると、宇佐美萌が湯気の立つコーヒーを手に部屋へ入ってきた。

彼女は体にぴったりとフィッ...

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