第81章

盛岡晃の名を出された途端、宇佐美萌の顔色が目に見えて強張った。

ここ数日、盛岡晃の彼女に対する態度は冷ややかそのものだった。電話に出ることすら稀で、ましてや宇佐美グループのために他人に借りを作るなどあり得ない。

彼にすげなくあしらわれでもしなければ、どうしてわざわざプライドを捨ててまで浅沢瑶に泣きつきに来るだろうか。

宇佐美萌はぐっと奥歯を噛みしめ、胸の内に湧き上がる惨めさを無理やり押さえ込むと、すべての責任を浅沢瑶の妨害のせいにした。

「瑶、お互い賢い大人なんだから、ここでとぼける必要はないでしょ」

宇佐美萌は深く息を吸い込み、その声に棘のある非難の色を滲ませた。

「長谷川社長...

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