第84章

その親しげな振る舞いは、まるでこの場の女主人であるかのようだった。

その光景を目にした瞬間、盛岡明依の顔から笑顔が完全に消え失せた。

個室に満ちていた喧騒が、彼女たちの登場によって一瞬だけピタリと止まる。

その場にいる全員の視線が一斉に集まり、盛岡晃、浅沢瑶、そして宇佐美萌の間をせわしなく行き来する。空気中には、下世話な好奇心と野次馬根性がぷんぷんと漂っていた。

真っ先に反応したのは、宇佐美萌だった。

彼女は顔の笑みを一瞬だけ引きつらせたものの、すぐさま隙のない上品な表情を取り繕う。

明依の目に宿る敵意など見えなかったかのように立ち上がると、優雅な足取りで歩み寄り、まるで長年の親...

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