第85章

その言葉はあまりにも容赦なく、的を射ていた。宇佐美萌の顔から、一瞬にして血の気が引く。

浅沢瑶には、彼女たちの言い争いを見物する気など毛頭なかった。ただ一刻も早く、この息の詰まるような場所から立ち去りたかった。

彼女は盛岡明依に小声で告げた。

「疲れたから、先に帰るわ」

「送るよ」

盛岡明依は即座にうなずき、彼女の腕を支えた。

一晩中振り回されたせいで、浅沢瑶の足元はたしかにおぼつかなく、胃の奥の鈍い痛みも主張を始めていた。

彼女は盛岡明依の好意を断らず、青ざめた顔で立ち尽くす宇佐美萌をやり過ごして、個室のドアへと向かった。

そのとき、内側からドアが開き、険しい顔をした盛岡晃...

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