第9章

宇佐美萌は、彼女が自分の手にあるエコー写真を見たことに気づいていた。

彼女は唇を軽く噛み、無意識にそれを後ろへ隠す。

「瑶、誤解しないで。私と晃は、あなたが思ってるような関係じゃないの」

言わなければまだよかった。そう言われると、浅沢瑶にはかえって取り繕っているようにしか聞こえなかった。

盛岡晃がちらりと彼女を見たが、浅沢瑶は相変わらず何も言わない。

「瑶? どうしたの?」

宇佐美萌の気遣うような声が、ひどく遠くから聞こえてくる。ぼやけて、曖昧で、意味を結ばない。

浅沢瑶には、もう何も聞こえなかった。何も見えていなかった。ただ、この場から離れなければならない。今すぐに。そう思う...

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