第95章

部屋の中は、針が落ちる音さえ聞こえそうなほど静まり返っていた。

盛岡晃は彼女の蒼白でありながらも穏やかな顔を見つめ、喉仏を微かに上下させると、手にしていた薬瓶をきつく握りしめた。そして、ようやく一言だけ絞り出す。

「わかった」

肯定の返事を引き出すと、浅沢瑶はもう二度と口を開かなかった。

ベッドの縁に手をついて立ち上がり、おぼつかない足取りでバスルームへ向かう。やがて、シャワーの音が響き始めた。

盛岡晃はその場に立ち尽くし、すりガラスのドアを食い入るように見つめている。

そこに浮かび上がるシルエットは紙のように薄く、今にも水流に流されて消えてしまいそうだった。

彼はうつむき、手...

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