第153章

琥珀千紗の悲痛な面持ちを眺めながら、月見華は心の中で冷ややかに嘲笑った。

(今さら何を……すべては後の祭りだ)

かつて、鴉崎家の人間が彼女たちにほんの少しでも情けをかけていれば、二人の子供を鴉崎家から遠ざけるような真似はしなかっただろうに。

一方、その頃――老宅にて。

淀んだ空気の中に、重苦しいタバコの臭いと、目に見えないほどの張り詰めた低気圧が充満していた。

鴉崎響は幅広の安楽椅子に深く腰掛け、書斎の机の前に立つ二人を冷淡な眼差しで見つめていた。

目の前にいるのは、従兄の鴉崎琥太郎と、その妻である水無月雫だ。

この二人が祖父を通じて自分を呼び出した時点で、ろくな用件ではないこ...

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