第168章

数日もすれば、また会える。そんな予感を胸に抱いていた。

……

M国における中絶に関する法律は極めて厳格で、実質的に禁止されているに等しい。

月見華は二日後、その処置のために隣国へ渡るつもりでいた。

気持の整理がついたところで、彼女は八朔綾人に連絡を入れた。

彼はすぐに駆けつけ、子供たちへの土産まで持参してくれたおかげで、リビングは和やかな空気に包まれた。

八朔綾人の瞳に宿る、嘘偽りのない純粋な気遣いを見て、月見華の胸に温かいものが込み上げる。

「綾人さん、ありがとう」

天ノ川夢乃が傍らで心からの礼を述べ、それから月見華に向き直った。

「華ちゃん、ほら。八朔さんってば、本当に...

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